食事1回あたりの「糖質」を20g~40gに制限するだけです。
代わりに「脂質」や「タンパク質」はいっぱい摂っても大丈夫。
脂質は動物性の脂身も油脂も、タンパク質は肉や魚、卵などもどんどん食べてください。
トンカツ、唐揚げ、天ぷらなどの揚げ物もOKです。
無制限に揚げ物を食べれば太ってしまいます。ですが、人間には満腹中枢があるので「もうお腹いおっぱい」と自然に制限されるようにできています。
特に、油脂を摂るとGIPやPYYというホルモンの分泌が促進され、早く満腹を感じることができます。また、糖質の低い食事の方が“食欲増進ホルモン”と言われるグレリンの分泌が抑制され、食べ過ぎを防いでくれます。
「糖質」は血糖値を上昇させる唯一の栄養素で、血糖値の上昇に100%影響します。一方、脂質を摂ってもた
んぱく質を摂っても血糖値はほとんど変わりません。
ロカボは血糖値の上昇を防ぎ、糖尿病をはじめとする病気の予防や改善にもつながります。
「ロカボ」は高血糖や血糖値の乱高下を防いでくれます。血糖値をコントロールできると、ダイエットの他にもいいことがいっぱい。例えば筋力・骨力がアップして健康寿命が伸ばせます。さらに、体の酸化ストレスを抑えアンチエイジングや美肌も期待できます。また、高血圧を改善して、動脈硬化や心筋梗塞などを防ぎます。体内に糖質を余らせないことでガン予防にもつながり、血糖値の上昇リスクから血管を守り、認知症の予防にもつながります。
「カロリー制限をすると減量効果はありますが多くのデメリットもあります。脂肪よりも筋肉を削ってしまったり、低栄養になったり、継続できずリバウンドしてしまったり。続けにくく効果も期待薄なので、もはや行う意味さえありません。ロカボなら満腹まで食べられて健康的に痩せられる。まさに理想的なダイエットと言えます。
1994年、慶應義塾大学医学部卒業。2007年5月北里研究所病院 糖尿病センター長に就任。日本糖尿病学会学術評議員、日本臨床栄養学会学術評議員なども務める。2013年11月「一般社団法人 食・楽・健康協会」を設立。ロカボ=ゆるやかな糖質制限を提唱し、企業に対して啓蒙活動を行うなど、日本人の健康増進のために日夜活動中。2015年11月刊行の「糖質制限の真実」(幻冬舎新書)がベストセラーに。糖質制限食などのエビデンスを詳しく知りたい方は一読をおすすめ。2016年6月に続編『ロカボで食べるとやせていく』、2017年6月に『カロリー制限の大罪』 (ともに幻冬舎)を刊行。著書はほかに、『ロカボバイブル』『奇跡の美食レストラン』 (ともに幻冬舎)、『糖質制限食のススメ』(東洋経済新報社)、『Dr.山田の新・糖質制限食事法』(高橋商店)、『世にも美味しいゆるやかな糖質制限ダイエット』(世界文化社)など多数。